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「2番手、3番手くらいの選手」が夢と勇気と希望を与えてくれた。岡山学芸館の決勝メンバー13人は全員「街クラブ」出身

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

 ともに勝てば初優勝となった全国高校サッカー選手権の決勝は、岡山学芸館(岡山県)が3-1と東山(京都府)を下し、岡山県勢として初の日本一に輝いた。強豪校を次々に撃破し、新たな歴史の扉を開いたという意味では、『NEXT 1∞(ネクスト100)』をテーマに掲げる101回大会にふさわしい結末となった。

岡山学芸館を率いた高原良明監督は元Jリーガーの43歳岡山学芸館を率いた高原良明監督は元Jリーガーの43歳この記事に関連する写真を見る 岡山県の高校サッカーと言えば、作陽や玉野光南の名が知られており、岡山学芸館はいわば新興勢力と言えるだろう。

 サッカー部の創部は1998年と歴史は浅く、選手権の出場は2年連続5回目で、2019年度のベスト16が最高位。もっともインターハイではここ2年連続でベスト8進出を果たしており、近年は全国的にもその名が知られる存在となっていた。現在の部員数は135人を数える。

 岡山学芸館が他の強豪校と一線を画すのは、街クラブ出身者がメンバーの大半を占めていることだろう。近年の高校サッカーでは、Jリーグの下部組織出身者がチームの主軸をなすチームが増えている。

 実際に青森山田、山梨学院、静岡学園と、過去3年の優勝校には、Jクラブのジュニアユース(U-15)出身者が複数メンバーに入っており、今大会でも中高一貫の強化を進める神村学園は例外ながら、2連覇を狙った青森山田(青森県)をはじめ、大津(熊本県)や前橋育英(群馬県)、日大藤沢(神奈川県)などの強豪校には、軒並みJクラブ出身者がメンバー入りしている。

 ユースに上がれなかった選手、あるいは最近では自ら高体連を選択する選手が増えてはいるものの、いずれにしてもJクラブのジュニアユースに在籍していたということは、少年時代から各地域で有力な選手であったことは間違いない。いわば狭き門を突破した、選ばれし精鋭たちである。

 岡山学芸館と決勝で対戦した東山にも、GKの佐藤瑞起(3年)やキャプテンのDF新谷陸斗(3年)をはじめ、セレッソ大阪、ガンバ大阪など関西Jクラブのアカデミー出身者が数多く主軸としてプレーしている。

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