工藤壮人からの最後のメッセージ。試練に打ち克ってきたそのサッカー人生を振り返る (3ページ目)
結果、彼は合格を勝ち取った。試練に打ち克つ。そうやって、彼はサッカー人生を貫いてきた。
工藤は自分に厳しく、強かったからこそ、他人に優しかったのだろう。その後、帰国してJ1のサンフレッチェ広島、J2のレノファ山口に在籍したが、若い選手とも自然に付き合い、刺激を与えた。サブの立場になっても、一切腐ることはなかった。敵も含めて、ピッチに立つ者すべてを等しくリスペクトし、愛していたのだ。
先日もLINEのやりとりで、筆者が浦和レッズの酒井宏樹(柏時代に工藤と同期のチームメイト)と試合後に初めて言葉を交わしたことを伝えると、彼は「どんなに活躍しても、いつも変わらず、低姿勢のすばらしい僕の同級生です。ぜひ、取材してやってください」と絵文字も使ったメッセージが返ってきた。自分のこと以上に、仲間を大事にする男だった。
今も事実が信じられないし、受け止められない。彼自身も無念だろう。せめて彼に感謝を込め、原稿を書くことで悼みたい。
「いつでも宮崎でお待ちしております! なんとかそれまでにゴールを積み重ねておきます!!!」
宮崎でも取材をする約束をかわしていた。それが彼からの最後のメッセージだ。
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