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「日本人よりハードワークの外国人」「チームで浮かないスピードスター」平畠啓史さんが今季J2で気になる選手を紹介 (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

左サイドで魅せるアタッカー

沼田駿也
(レノファ山口/FW/173cm、67kg)

 ひとりで左サイドを崩していける選手。左サイドを自分の持ち場に変える空気感を持っていますよね。僕と同じ大阪府高槻市出身で、関西大学出身なので応援しています。

 太田選手とも重なるところはあるんですが、ひとりでも突破できるし、周りとの連携でも突破できます。うしろの橋本健人選手と横の田中渉選手とのコンビネーションがすごい。

 周りがいる時はしっかり生かして、自分が周りのためにドリブルのコースを作ってあげることもできる。今の時代のサイドアタッカーにとって大事な要素を持っています。

 あとレノファって両サイドがライン際に張り出すんですが、チャンスの時にはゴール前の中央にも顔を出しているんですよね。しっかりゴールの嗅覚も持っています。

試合に出ていないけど、ゲームに加わっている

藤嶋栄介
(モンテディオ山形/GK/186cm、80kg)
阿部航斗
(アルビレックス新潟/GK/186cm、82kg)

 ふたりとも試合に出ていないんですけど、ベンチからめちゃくちゃ積極的にゲームに加わっている。個人的には、これはすごく大事なことだと思っているんですよ。

 キーパーって特殊なポジションで、鉄板の第1GKが生まれてしまうと第2GKは仕事がないじゃないですか。プロだから、ある意味拗ねてもしょうがないと思うんですよ。『なんだよ』ってなっちゃいがちだと思うんですが、阿部選手も藤嶋選手もピッチに向かってめちゃめちゃ声出したりしてるんですよ。

 この前山形で面白かったのが、選手交代の時に監督が交代選手を呼ぶじゃないですか。その時になんでかわからないですけど、藤嶋選手もその交代選手のうしろについていくんですよ(笑)。同じように監督の指示を聞いて「うん、うん」って話聞いて、「よっしゃ行ってこい!!」って送り出すんです。

 それを見て、この選手すごいなと。プロの選手たちって個人事業主の集まりですから、人のことなんて知らんっちゃ知らんじゃないですか。だけどこういうキャラクターの選手がいるチームって絶対強いんです。

 新潟の阿部選手も、チームがなんか元気ない時に、ピッチ脇からものすごい声出しているんですよね。ゴールシーンやちょっと微妙な判定の時とかも一番反応が早い。サブなんですが、ちゃんと試合に加わっているんですよね。

 GKってフィールドプレーヤーよりもその日試合に出られない可能性が高いじゃないですか。だけど試合にちゃんと加わっているのは大事なことだと思います。そういうシーンが中継のカメラに映った時は、うれしくなるんですよね。ちょっと僕がサッカーを見すぎてるのかもしれませんが(笑)。

 そういうシーンを見られた時、勝手に「この人はいい人に違いない」って決めつけてます(笑)。

※本記事取材後の7月24日に藤嶋選手は左ヒザの大ケガを負い、クラブより全治6カ月との発表がありました。回復をお祈り申し上げます。

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