ロジェ・ミラ+オルンガ? J1の台風の目、京都サンガの切り込み隊長は得点ランク首位の38歳 (2ページ目)
今季9試合にほぼフル出場
2016年に移籍したサンフレッチェ広島で得点王に輝いたものの、翌2017年はFC東京で8ゴール。翌年、日本を去り、デンマークのクラブチームに移籍したのも頷ける結果だった。しかし2018年、34歳になったウタカはシーズン半ばに再来日を果たす。J2徳島ヴォルティスでは19試合で6ゴールと、あまり話題にならなかったが、翌2019年、J2ヴァンフォーレ甲府に移籍すると、20ゴールを挙げ、得点ランクで4位に入る活躍を見せた。
そしてその翌2020年、京都に移ると22ゴールを挙げ得点王に輝く。昨季も同2位となる21ゴールを挙げ、文字通りチームをJ1昇格に導く活躍を見せた。
38歳で迎えた今季は、9試合を消化して7ゴールを量産している。得点王争いで、2位の鈴木雄斗(ジュビロ磐田)に2ゴール差をつけ、堂々首位を走る。さらに驚かされるのは出場時間だ。途中交代したのは湘南ベルマーレ戦1試合のみ。それも後半44分という、事実上の時間稼ぎの交代だった。選手交代5人制で行なわれるリーグで、38歳のアタッカーが9試合で通算809分も出場しているチームは、おそらく世界広しといえど京都だけだろう。
とにかく圧倒的なのだ。柏戦を見て連想したのは、一昨季まで3シーズン、柏に在籍したマイケル・オルンガだ。J1に復帰した2020年、32試合に出場し28ゴールを叩き出した怪物ストライカーと、現在のウタカはイメージが重なる。オルンガ同様、他の選手の追随を許さない断トツのすごみに満ちている。
ヘビー級のボクサーを彷彿とさせる、前方の障害物をなぎ倒していく馬力、パンチ力。左右両足から繰り出される振りの速いシュートは、まさにボクサーの強烈なパンチのようだ。ドリブルもうまいし、シュートもうまい。ゴール前の混戦でも強さを発揮する。動体視力に優れているのだろう。反応が抜群に速いのだ。回転力、反転力といった身のこなしもスムーズだ。抜群の決定力を誇る。
オルンガとの違いは上背だ。193センチの長身だったオルンガに対し、ウタカは179センチと日本人選手的だ。だが、ずんぐりむっくりに見えるほど、厚い胸板をしている。日本人ではまず見かけない体型だ。ヘアバンドを巻いたその独特な風貌と相まって、敵の守備者が迂闊に近づけない、威嚇するような雰囲気を発露させている。
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