ベガルタ仙台が特別な一日に勝利。再び輝くために「今日の試合に臨んだ姿勢をベースにするべき」
特別な、一日だった。
2022年3月12日、J2リーグ第4節のベガルタ仙台vsいわてグルージャ盛岡戦が行なわれた。
昨シーズンのJ1で19位に終わり、戦いの舞台をJ2へ移したベガルタは、1年でのJ1復帰を目標に掲げている。ここまで1勝2分の成績だから、滑り出しは悪くない。ただ、試合内容を見つめると、違う現実が浮かび上がってくる。
ホームのユアテックスタジアム仙台で迎えた開幕戦は、アルビレックス新潟と0-0で引き分けた。ポゼッションを身上とする相手に主導権を握られ、自分たちでゲームをコントロールできなかった。
水戸ホーリーホックとのアウェーゲームとなった第2節は、90+5分の得点で3-2と競り勝った。ドラマチックな結末となったが、GK杉本大地の好セーブがなければ3点目を入れる前に3点目をとられていたかもしれなかった。
ホームに戻ってきた第3節は、ザスパクサツ群馬とスコアレスで引き分けた。今シーズンから群馬を率いる大槻毅監督に、ストロングポイントを巧みに消された。最終局面を打開できなかった。
シーズン序盤のJ2は波乱含みだ。昇格候補の横浜FCが4連勝の好スタートをきった一方で、昨シーズン上位のヴァンフォーレ甲府、V・ファーレン長崎、アルビレックス新潟らが順位表のボトムハーフに位置している。J1から降格してきた徳島ヴォルティスと大分トリニータも同様で、両チームともにいまだ未勝利だ。
ベガルタがこの日迎えた岩手も、混戦を生み出しているチームだ。J2初参戦で3節まで2勝1敗の成績を残している。
原崎政人監督率いるベガルタにとって、岩手戦は自分たちの可能性を示す一戦だったと言える。ホームで勝ち点3を積み上げることは、J1昇格の必要条件だからだ。リーグ内の力が拮抗しているからこそ、ホームゲームで勝ち点3をとりきらなければならない。
勝利をつかみとりたい理由が、もうひとつあった。
3月11日の翌日のホームゲームである。地元紙のスポンサードで『震災復興応援試合』と銘打たれた一戦を、原崎監督は「我々にとっては意味の深い大事な試合」と位置づけていた。
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