2022シーズンもJ2は面白ポイント満載。平畠啓史さんが注目チームの見どころを紹介 (4ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

【夏の移籍がすごく大事】

――今年のJ2の残留争いという点では、どの部分に注目されていますか。

 優勝争いとか、プレーオフ圏内争いもそうなんですけど、ベタな言い方すると全チーム優勝目指してますよってなるんでしょう。ただ、戦ってるうちにだんだん現実が見えてきますよね。

 優勝を狙えるチーム、優勝は無理だけどプレーオフを狙いに行ったほうがいいチーム。プレーオフは無理だけど残留をしっかり勝ち取らないといけないチーム。シーズン中でいかに現実的なところに切り替えらえるかが、僕はすごく大事だと思います。

 選手から「可能性はあるので」と、よく聞きますが、数字上はもちろん可能性はありますし、それを言うのがすべて悪いとは言いませんが、可能性があることに気持ちを持っていきすぎて現実を見失うと痛い目にあうと思うんです。

 そう考えると、クラブも指揮官も選手もいかに切り替えられるかが大事かなと。シーズンの始まりから言うのもなんですが、J2は夏の移籍で選手を抜かれる可能性もあるわけで。そういうところにも現実的にちゃんと補強をできるか。そこにアンテナを張っていられるか。クラブとしてのアラートの意識が問われるかなと思ってます。

――J3から上がってきたロアッソ熊本、いわてグルージャ盛岡が残留に必要なものはどういったところでしょう。

 まだどういう戦いをするかわかりませんが、熊本もいわても、監督さんも変わってないですし、選手も基本は昨年のベースでやると思うので、多分、昨年の戦い方をやっていくと思います。

 それが通用する可能性は、十分あると思ってます。それがあまり通用しなかった時に、いかに現実的に切り替えて、勝ち点を少しでも重ねていく戦い方に変えていけるのか。ピッチ上の意識もそうですが、クラブとしての部分はすごく大事だろうと思ってます。

 夏の移籍はすごく大事になるかと。Jリーグ内の移籍だけじゃなくて、特別指定選手や、J1のトップのチームのアカデミーから上がってきた、1年目でゲームに出てない選手をうまく拾ってくるなど、そういうアンテナの張り方がすごく大事になると思います。

平畠啓史 
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気。サッカー関連番組の出演も多く、著書には「平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)がある。

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