2022.01.06

J内定4人を擁する静岡学園、終了間際の悪夢。「筋書きのないドラマ」で国立を前に散る

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

第100回全国高校サッカー選手権特集

 ありがちと言えばありがちだけど、その結末はやはり残酷だったと言わざるを得ない。高校サッカーの代名詞とも言える「筋書きのないドラマ」を地で行くような展開で、静岡学園(静岡県)が国立を前に散った。

 1月4日にフクダ電子アリーナで行なわれた全国高校サッカー選手権の準々決勝で、静岡学園は関東第一(東京都B)と対戦した。

静学スタイルを貫き、そして敗れた静学スタイルを貫き、そして敗れた この記事に関連する写真を見る  試合は序盤こそ、シンプルに裏を狙った関東第一にもチャンスは訪れたが、15分を過ぎたあたりからは静岡学園の一方的な展開となった。

 後方でボールをつないで隙を探り、鋭いフィードをサイドに展開し、そこから相手ゴールへと迫っていく。人数をかけて対応する関東第一の守備に手こずりながらも、すぐさま敵陣でボールを奪い返し、再び波状攻撃を仕掛けていった。

「我々の想定をはるかに越える、静岡学園のすばらしいサッカー」と関東第一の小野貴裕監督が振り返ったように、試合を通してその構図はほとんど変わることはなかった。

 今年の静岡学園には、優勝候補筆頭の青森山田(青森県)を上回る4人のプロ内定者の存在があった。

 身長190cmを誇るCBの伊東進之輔(→ギラヴァンツ北九州)が最終ラインから正確なフィードを展開すれば、中盤の底に君臨する玄理吾(ヒョン・リオ/→徳島ヴォルティス)が華麗なテクニックとパスワークで攻撃を操舵する。右サイドでは川谷凪(→清水エスパルス)が力強い突破で縦への推進力をもたらし、左からは古川陽介(→ジュビロ磐田)が緩急織り交ぜたドリブルで時間と違いを生み出していく。

 なかでも際立ったのは、10番を背負う古川のパフォーマンスだ。ボールを持てば躊躇なく仕掛け、対峙するDFを翻弄。縦に行くと見せかけて右足アウトで中に切れ込むドリブルは、高校生レベルではとうてい止められない代物だった。

 この古川とSBの野村海翔が連動する左サイドからの攻撃が、この日の静岡学園の最大のストロングポイントとなっていた。