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歴代最強の大津VSタレント軍団の前橋育英。高校サッカー選手権屈指の好カード の見どころは? (2ページ目)

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【タレントを揃える前橋育英】

 対する前橋育英も大津に負けずとも劣らない好チームで、攻守にタレントを擁する。CBの柳生将太、桑子流空のコンビは安定感抜群で、空中戦でも地上戦でも強さを発揮。両サイドバック(SB)の岩立祥汰、大竹駿は堅実な守りを見せており、ベンチに座るDF岡本一真(ザスパクサツ群馬入団内定)も対人戦に強い実力者だ。

 その前に控えるボランチの根津元輝と徳永涼の2年生コンビは、今大会屈指のユニットで、状況に応じて攻撃と守備の役割を分担しながらつなぎ役を担う。彼らが攻撃のスイッチを入れれば、その先はアタッカー陣の出番。変幻自在のドリブルと一撃必殺のスルーパスが持ち味の笠柳翼(V・ファーレン長崎入団内定)と力強い突破でチャンスを作るU-17日本代表候補の小池直矢の両サイドハーフ、裏への飛び出しが武器の守屋練太郎と渡辺亮平の2トップが連動しながら局面を打開していく。

 今大会は3試合で12ゴールを奪っており、自慢のパスワークと個人技を融合させたアタックは破壊力抜群。鹿島学園との3回戦で負傷交代した守屋の状態は気掛かりだが、その試合で2得点を奪った高足善が控えており、役者には事欠かない。

 夏のインターハイまでは不用意な失点が多かったが、選手権予選以降は根津と徳永のボランチコンビが守備力を身につけたことで大幅に改善。12月初旬のプレミアリーグ参入を掛けたプレーオフでも2試合連続で相手を零封しており、ほころびを見せなかった。ハイレベルなチームとの対戦で得た自信も、好調を支えている要因のひとつだろう。

 互いに好調を維持しており、勝負の行方はわからない。拮抗した両者の戦いにおいて、勝負を分けるポイントがサイドの攻防だ。

 両者共にサイド攻撃を武器にしている。大津は森田と薬師田が配給するボールにサイドの選手が抜け出すパターンが基本線。そのサイドは、今大会は田原の台頭で、攻撃に新たなバリエーションをもたらした。

 県予選までは川口が左サイドに入っていたが、今大会では田原を左に置き、川口をFWに配置。

「今大会は(サイドと最前線ができる)川口と(ボランチとサイドができる)森田のポジションをどこに置くかを考えていた。ある程度ボールを支配できるようになったので、田原を左サイドに置いて、川口を中に配置することで、森田やSBの岩本を含めた4人の距離感をよくしたい。そこから崩すために田原を起用している」とは山城朋大監督のコメントだ。

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