「本当の意味で力がない」鹿島アントラーズの厳しい現状。三竿健斗主将が語った「変わらなくてはいけない」こととは? (5ページ目)
サッカーは常に進化を繰り返している。ポゼッションサッカーが席捲したかと思えば、数年でそれを打ち破る戦術が当然生まれ、覇権を握る。そして今、優れた選手を集めただけでは勝てない時代を迎えてもいる。自身のスタイルを持った監督がチームを作ることが主流となった。選手の移籍が激しいのだから当然だろう。
Jリーグでも同じことが起きている。そして、順位による賞金の違い、豊富な資金力を持ったクラブの登場など、ピッチ外でも大きな変化がある。
「ベース(フィロソフィー)を大事にしながら、マネージメント力で対抗するチームを」と鈴木は語った。
変革しなければならない。
これを危機感とするならば、鹿島アントラーズというクラブは、創設以降30年間ずっと危機感と共存してきたクラブだと思っている。奇跡のJリーグ入りから始まったのだから当然だろう。
「優勝するぞ」
1993年開幕を控えたJリーグでのタイトル獲得を口にしたのはジーコだった。誰もが耳を疑ったという。それでもファーストステージで優勝できた。
「大きすぎる目標を持ったほうがいい」と鈴木はこのとき感じたと話す。
鹿島アントラーズの30年を描いた拙著のタイトル、「頂はいつも遠くに」の由来はここにある。現状から見た頂の遠さではなく、彼らは常に遠くにある頂を見ているということだ。そして、頂に近づけば、また次の頂が見えてくる......。そんな30年の歩みだった。そしてこれはこの先もずっと続いていく。
『頂はいつも遠くに 鹿島アントラーズの30年』
寺野典子 著
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1,870円(税込)
四六判ソフト 384ページ
ISBN:978-4-08-781690-7
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