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中村憲剛と佐藤寿人が「お父さん、お母さんに聞いてほしい」。子どもの人間形成で大事なこと (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 最初に言った「傾聴力」の話にも通じますけど、要所要所で知識や経験のある人たちが、そういうものを与えてくれたことが大きかったと思います。自分たちで何かを作ろうと思っても、知らないことのほうが圧倒的に多い。アンテナを張るということも言いましたけど、自分に足りないことを持ってきてくれる人との出会いというものも、長く続けられた要因だと思っています。

---- 出会いが成長を促してくれると?

中村 そこは大事ですよね。これは前回の監督をテーマにした対談の時にも言いましたけど、人と出会って何かを与えられた時、それをどのように自分のモノにして成長につなげていけるか。

 もちろん、生きていくなかで多くの人に出会うわけだから、いい出会いもあれば、その逆もあります。そこは反面教師とすればいいわけで。そういう出会いのなかで、自分の信念みたいなものは形成されていくのかなと。

 結局、人間を形成する要素は、人なんだろうなと思います。出会いだったり、何を見聞きするかによって、人は変わっていくものですから。

佐藤 指導者はもちろん、先輩やチームメイトの影響力は大きいですよね。特に若い時に、どんな人と出会えるか。そこは、僕も憲剛くんも恵まれていたんじゃないですかね。

---- 影響を受けたり、お手本にしていた先輩はいますか?

中村 フロンターレは、真面目にやる先輩ばかりでしたよ。

佐藤 フロンターレは、そういうカラーですよね。

中村 そう。ウチはそれが昔も今も続いているから。寿人はいろいろなチームに在籍したなかで、強烈な先輩もいたんじゃない?

佐藤 1年目の時に、小倉隆史さんがいたんですよ。元代表のビッグネームでしたけど、小倉さんは普通に寮に入っていて。あれだけキャリアのある人だから、普通なら都心に住んだり、六本木に飲みに行ったりするイメージですけど、あの人は華やかな部分をまったく見せずに、サッカー選手としての正しい姿を見せてくれましたね。

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