ベガルタ仙台はなぜ13季ぶり降格となったのか。その敗北は必然だった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

 敗因はこれから語られるだろう。たとえば、ケガ人が多かったことは事実だろう。フィジカル面のトレーニングが旧態依然だと言われるが、最新データにこだわりすぎて悪評を買った指導者もいる。また、それまで価値ある仕事をしていた渡邉晋監督を、2019年をもって切った理由も不明瞭だが、必ずしも続投=残留ではない。手倉森監督の采配を揶揄する声も出るだろうが、戦いに身を投じていた選手が何人いたか。

 ひとつだけ確かなことは、今シーズンの戦いが残留には値しなかったということだ。

「苦しむ中で立ち直っていく、"東北のメンタルがここにある"とベガルタが確立するしかない」

 手倉森監督は、震災後10年の復興となぞらえて、チームの再起を期した。だが、降格を突きつけられた指揮官が続投するのか。選手総入れ替えは非現実的だ。

「進退はまだ決めていない。クラブの判断次第」

 手倉森監督は、そう言って会見を締め括った。残り2試合、仙台はJ1で何を示せるのか。
 

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