2021.07.02

これは「浦和レッズ」なのか? 名より実を取った新戦力が新たな風を吹かせる

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 メンバーリストを見ただけでは、このチームが浦和レッズであることをイメージするのは難しかった。かろうじて槙野智章、西川周作らお馴染みのメンバーの表記に「浦和」を見出すことができたが、多くは昨季まではなかった名前である。

 6月27日に行なわれたアビスパ福岡戦のスタメンのうち、実に7人が在籍1年目の選手。うち2人がルーキーで、うち2人がJ2から個人昇格を果たした選手。言い換えれば、J1での経験がない選手たちが今の浦和の主力をなしているのである。

今季から浦和の一員となった24歳の小泉佳穂今季から浦和の一員となった24歳の小泉佳穂 この記事に関連する写真を見る  もちろん、すでにシーズンの半分を過ぎているので、「何を今さら」という指摘もあるだろう。だが、興梠慎三や武藤雄樹、宇賀神友弥といったこれまでの浦和を支えてきた面々がピッチに立っていない状況に、多少の違和感を覚えるのと同時に、あらためてサッカー界の変化のスピードの速さを感じた次第である。

 リカルド・ロドリゲス監督を迎えた今季の浦和には、期待と不安の両方が備わっていただろう。徳島ヴォルティスをJ1に導いたスペイン人指揮官の革新的な手腕は、チームに新たな風を吹かせると同時に、大きな痛みを伴うことも考えられたからだ。

 実際に開幕当初は結果が伴わず、川崎フロンターレに0−5で敗れる屈辱も味わった。スタイルも、メンバーも代え、大きく舵を切った以上、浦和の改革には相応の時間がかかると思われていた。

 しかし、第7節から3連勝を達成すると、第13節からも再び3連勝。そして第19節から2連勝を達成したチームは第20節を終えて5位と、気づけば順位表の上位へと顔を出しているのである。

 改革のスピードを速めたのは、5月の加入後にゴールを量産するキャスパー・ユンカーの存在が大きいだろう。しかし、それ以上に輝きを放つのは、小泉佳穂である。今季FC琉球から加入した小柄で華奢なアタッカーは、圧倒的な技術と戦術眼の高さを駆使し、すでに浦和の攻撃の最重要人物となっている。