今季アントラーズは強し。だが本当に「打倒・川崎の一番手」なのか
鹿島アントラーズの評判がいい。
今季J1開幕を前に(当サイトも含めて)多くのメディアで順位予想が行なわれていたが、鹿島を優勝候補に推す声が非常に多かったのだ。
いわば、川崎フロンターレ連覇阻止の筆頭候補。それが鹿島の下馬評だった。
ところが、そんな高評価にもかかわらず、鹿島はJ1開幕戦で清水エスパルスに1-3の逆転負け。しかも、優勢に進めていた試合で75分に待望の先制点を奪いながら、その後のわずか10分間で3点を失うという、およそ試合巧者の鹿島らしからぬ負け方だった。
それだけにJ1第3節の湘南ベルマーレ戦では、鹿島の真価――打倒・川崎の筆頭候補にふさわしい力を備えているのか――が問われていた。
たかが1試合に負けただけで、真価が問われるというのも大袈裟な気はするが、昨季もスタートの出遅れ(開幕4連敗)が響き、優勝争いに加われなかったことを考えると、悪い流れは早めに断ち切っておきたい。
ルヴァンカップのグループリーグ初戦では、サガン鳥栖を3-0と一蹴したものの、J1第2節のガンバ大阪戦が中止(相手チームの新型コロナウイルス感染による)になったため、リーグ戦はこれが2試合目。開幕戦に続くホームゲームということもあり、鹿島にとっては負けが許されない試合だったと言ってもいいだろう。
湘南戦で2ゴールを決めた荒木遼太郎 はたして結果は、3-1の勝利。内容的に見ても、特に前半は湘南にほぼ何もさせず、主導権を握ったまま、危なげなく勝ち点3を手にした。
「この試合に勝ちたいという鹿島の気持ちがインテンシティの高い球際やスプリントに出ていて、それに屈した局面が多かった。戦術うんぬんより、それが一番(の敗因)だった」
湘南の浮嶋敏監督もそう語り、素直に負けを認めるしかなかった。
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