ゼビオに経営体制が一新。ヴェルディの激動を永井秀樹はどう感じたか (3ページ目)

  • 会津泰成●取材・文 text by Aizu Yasunari
  • 写真提供:東京ヴェルディ

――シーズン終盤に3連勝を飾りましたが、その後失速したことについてはいかがでしょうか。

 周りはいろいろ言うし「相手から研究されたから」と言われたりもする。でも、自分はそうは思っていない。シーズン終了後、改めて、冷静にうまくいかなかった部分を切り取って見直してみると、やられたというよりも、すべて自分たちで招いた失敗だった。

――では、失敗の要因はなんだったと思いますか?

 今だから話せるけど、経営問題も絡んでいろいろな問題が起きて、少なからず選手たちのプレーにも影響が出ていたようにも思う。

 うまい選手が1日で急に下手になることはない。技術や体力が1日、2日で衰えることはないが、心が乱れてしまうと技術も体力も大きく乱れてしまう。特にアウェーの琉球戦(11月29日/第37節、0-4で大敗)のタイミングで(チームに)いろいろなことが起きて、かなり苦しい精神状況で試合に臨んだので非常に難しかった。

 試合前、「経営的に非常に厳しい、来季を見据えるにあたって、選手の契約条件も我慢してもらわないといけない」みたいなことを言われてしまい、選手の気持ちを高めることも非常に難しかった。どんなに優れた選手、メッシでもネイマールでも、来季の契約も見えない落ち込んだ気持ちでプレーして、本当に100パーセントの力を発揮できるかどうかは疑問に思う。そういう意味で、あの琉球戦はベンチで見ていても正直、「何かいつもと違うパフォーマンスだな」というのはあった。

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