浦和レッズ「改革3年計画」1年目の通信簿。希望は見出せたか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 2020年のJ1リーグは、12月19日をもって終了した。2月に開幕したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で長期中断に突入。開催が危ぶまれるなか、なんとか7月に再開し、およそ6カ月で33試合をこなした。

 この間、いくつかのチームには陽性が判明した選手や監督、スタッフもいる。そうした困難も乗り越え、無事に全日程を消化できたことに(天皇杯、ルヴァンカップ決勝は残されているが)、多くの関係者は胸を撫でおろしていることだろう。

サポーターに向けて深々と頭を下げた大槻監督サポーターに向けて深々と頭を下げた大槻監督 各チームが総力戦を求められたなか、若手の台頭という副産物もあった。川崎フロンターレの圧倒的な強さ、オルンガという強烈なタレントの出現、ガンバ大阪と名古屋グランパスの復活もあり、異例のシーズンは、印象に残るシーズンともなった。

 すでに来季への動きも見られる。レジェンドの引退、ベテランの契約満了、才能豊かな若手の海外移籍もいくつか決まっている。そして、注目されるのは監督人事だろう。

 FC東京の長谷川健太監督やガンバ大阪の宮本恒靖監督ら、一定の成果を残したチームは早々に続投を発表。一方で、セレッソ大阪のロティーナ監督は2年連続で上位進出を成し遂げたにもかかわらず退任となり、開幕から大いに苦しんだベガルタ仙台の木山隆之監督は1年でその任を終えている。また、今季途中の緊急登板となったヴィッセル神戸の三浦淳寛監督と清水エスパルスの平岡宏章監督の動向は不透明で、清水に関しては後任にロティーナ監督の名前も挙がっている。

 浦和レッズも、11月25日に大槻毅監督の退任を発表した。後任には徳島ヴォルティスをJ1昇格に導いたリカルド・ロドリゲスが就くことが濃厚と言われている。

 大槻監督が浦和の監督に"正式に"就任したのは、2019年5月のこと。正式に、と強調したのは、それ以前に"暫定的に"指揮を執った経験があるからだ。

 暫定監督を務めたのは2018年4月。前年にアジア王者に導いた堀孝史監督が成績不振で解任となり、当時育成ダイレクターを務めていた大槻監督に白羽の矢が立ったのだ。

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