変則ACLを日本勢はどう戦う?横浜FMは一気に勝ち上がる可能性も

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 今シーズンのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は、コロナ禍で大幅な日程変更を余儀なくされている。グループリーグは集中開催。決勝トーナメントはノックアウト方式の一発勝負となった。

 西地区は、シャビ・エルナンデス監督が率いるカタール王者アル・サッドが、元スペイン代表MFサンティ・カソルラを擁し、飛び抜けた得点力で注目された。しかしラウンド16で、イランのペルセポリスに17本のシュートを浴びせながら、1-0と敗戦。大会から姿を消すことになった。一方、ペルセポリスはその勢いを駆って準決勝まで勝ち上がり、サウジアラビアのアル・ナスルをPK戦の末に下している。

 決勝でペルセポリスと対戦する東地区の代表はどこになるのか?

アジアチャンピオンズリーグに挑む横浜F・マリノスのイレブンアジアチャンピオンズリーグに挑む横浜F・マリノスのイレブン 11月24日から、日本勢の3チーム、FC東京、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスが、カタールでのグループリーグに挑む(鹿島アントラーズはプレーオフで敗退)。中断前まで、FC東京(グループF2位)は1勝1分け、神戸(グループG1位)、横浜FM(グループH1位)は2連勝スタートで、いずれもアドバンテージを持っている。各グループの2位までが12月6、7日のラウンド16に進むことになる。

 FC東京は、その堅守がどこまで通用するか――。

 長谷川健太監督が作り上げた守備組織の堅牢さは、歴代Jリーグでも屈指だろう。持ち場を守るポジショニング、カバー&チャレンジが徹底され、役割が明確化。そのおかげで、若手が入っても大きな違和感はない。お互いで守備力を高め合えるのだ。

 長谷川監督は、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンのような扱いが難しいブラジル人のマネジメントにも優れ、大きな武器にしている。カウンター攻撃に入った時のパワー、スピードは、アジアの強豪クラブにも打撃を与えることができる。レアンドロのFKは飛び道具だ。

 しかしながら、橋本拳人のロシア移籍の穴が大きすぎる。昨シーズンと比べて、明らかに失点が増えている。中盤の背後を突かれる形やパスミスに端を発した失点が多い。橋本は背後を見ながらポジションを取って、持ち場を守りながらカバーもできていた。攻撃ではボールの出どころになり、前に入ったボールのサポートをし、鋭い出足でインターセプトからショートカウンターも放った。

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