活動休止明けの柏が見せた前向きな姿勢「モチベーションを保つ」
柏レイソルからそのリリースが出たのは、11月2日のこと。所属選手ひとりが新型コロナウイルスの陽性判定となり、翌日に予定されていたJ1リーグ第26節のベガルタ仙台戦が中止となるという内容だった。
また、そのリリースには「現時点でスタッフ2名の発熱が確認され、本日PCR検査を実施」と記されており、翌日にふたりのスタッフの陽性判定も発表。そのうちのひとりが、ネルシーニョ監督であったことが公表された。
オルンガのゴールも勝利に結びつかなかった その後、クラブ関係者全員にPCR検査を行なった結果、最終的に選手5人、トップチームスタッフ11人の陽性者が判明。この「クラスター」の発生により、柏は活動休止に追い込まれ、仙台戦だけでなく、第27節の大分トリニータ戦、ファイナル進出を決めていた11月7日のルヴァンカップ決勝までもが開催中止となる一大事となった。
あれからおよそ3週間が経過し、柏が再びJリーグの舞台に戻ってきた。
対戦相手はサガン鳥栖。このチームも8月に、金明輝監督を含め、選手・スタッフ計11名の陽性判定者が出たことで、活動休止を余儀なくされている。何とも数奇な巡り合わせだが、柏とすればこの"再開試合"に並々ならぬ想いで挑んでいたはずだ。
鳥栖のケースで言えば、およそ1カ月試合期間が空き、再開戦となった横浜FC戦で3−0と快勝を収めると、続く浦和レッズ戦には引き分けたが、翌節の柏戦では2−1と勝利。それまでわずか1勝だったチームが、活動休止期間を挟んで息を吹き返す結果となった。
「いいふうに言えば、フレッシュになった。ポジティブになった」と、金監督は当時の状況を振り返る。コロナ禍の今季のリーグ戦では中2日、中3日でのハードスケジュールが続いていただけに、活動休止によって肉体的な回復が図られたことは想像に難くない。
そうした状況がこの日の柏にも当てはまるかと思われたが、当時の鳥栖と今回の柏とでは相違点があった。それは準備期間だ。鳥栖の場合は「1週間と少しくらいあった」(金監督)が、今回、柏が全体練習を再開したのは、鳥栖戦を3日後に控えた11月18日のことだったのだ。
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