Jリーグ月間MVP独自ランキング。三笘薫はルーキーの枠に収まらない (2ページ目)
ウイングのプレーが目立っている
杉山茂樹氏(スポーツライター)
1位 三笘薫(川崎フロンターレ)
2位 オルンガ(柏レイソル)
3位 ジュニオール・サントス(横浜F・マリノス)
4位 マルティノス(浦和レッズ)
5位 マテウス(名古屋)
9月までは出場したリーグ全16試合中、スタメンはわずか3試合。ほぼ交代出場に限られていた。川崎フロンターレの三笘薫はMVP(最高殊勲選手)に選びたくても選べない選手だった。
だが10月は5試合すべてに出場した。そのうちフルタイム出場1試合を含む3試合に先発。残る2試合は交代出場と、これまでのどの月にも増して出場時間が多かった。加えて10月のゴール数=3もチームNo.1だ。選ぶ条件はここに来てようやく整った格好だ。
プレーの中身がそれに加わる。三笘がボールを持つと、目はいっそう離せなくなる。変幻自在なドリブルワークに目は釘付けになる。先日のFC東京戦で言えば、2点目の決勝ゴールのシーン。中村憲剛にラストパスを送る寸前まで披露したキレっキレのドリブルこそ、MVP級のドリブルだった。
その昔、2トップ下で構える10番タイプの攻撃的MFを、ファンタジスタというイタリア語で呼んだものだが、現在の日本におけるファンタジスタは、三笘に代表されるドリブラーになる。
坂元達裕(セレッソ大阪)、汰木康也(浦和レッズ)など、MIP(モスト・インプレッション・プレーヤー)的な要素を兼ね備えた巧者は、中盤よりウインガーに目立ち始めている。久保建英(ビジャレアル)を筆頭とする欧州組しかり。いい傾向だと思う。
外国人選手では、マルティノス(浦和)、マテウス(名古屋グランパス)のウイングプレーに目が行く。汰木とマルティノスを左右に揃えた浦和のサッカーは、成績以上によく見える。
横浜FMが中位に低迷する理由もわかりやすい。昨季いた左ウイング=マテウスがいなくなってしまったこと、さらには、右ウイング=仲川輝人のコンディションが上がらないことと密接な関係がある。
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