生まれ変わる横浜F・マリノス。連覇へ向けキーマンたちが違いを作る (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 マルコス・ジュニオールは、Jリーグで花を咲かせたブラジル人の典型だろ。プレースタイルやレベルの違いはあるにせよ、ゴール数は飛躍的に向上している。日本人の規律や秩序に刺激されることによって、プレーの幅が広がったのかもしれない。

 その点、実は横浜FMの昨今の強さは、ブラジル人選手の能力の高さ、適応力にある。スカウティングもあるはずだが、アンジェ・ポステコグルー監督の戦術に順応するだけでなく、プレーヤーとして進化している。マルコス・ジュニオールだけでなく、チアゴ・マルチンス、エリキ、ジュニオール・サントスなどは強力な戦力だ。

 後半15分、1-1に追いつかれた状況では、ジュニオール・サントスが放ったヘディングが豪快だった。左からのクロスに、パワー、高さ、タイミングで上回っていた。柏レイソルから移籍してきて3試合目には見えない。

「ハーフタイムに監督から、『ペナ(ルティエリア)に侵入しろ』と言われていました。いいポジションを取れて。連係の部分はもっと良くならないといけませんが、得点で貢献できてよかった。徐々にマリノスのサッカーを学び、改善していきたい」(横浜FM/ジュニオール・サントス)

 そして終了間際には、エリキがスルーパスから裏に抜け出し、GKとの1対1を落ち着いて決めた。これでブラジル人選手3人、そろい踏みだ。

 今シーズンは出遅れていた"守備の要"チアゴ・マルチンスも、調子は徐々に上がりつつある。昨シーズン、横浜FMの攻撃サッカーを後方から支えていたブラジル人センターバックの出来は、これからのチームの浮沈を占うだろう。広島戦はまだズレが見られたが、3試合連続フル出場を続けて完調に向かうか。

「2-1でリードしている中でも3点目を狙いにいって、取ることができた。これが、マリノスのサッカーだ。チームとして、ポジティブなパフォーマンスだったと言える。過密日程の中、全員の選手の力が必要になるだろう」(横浜FM/ポステコグルー監督)

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