再開後のJ1で攻撃型チームの明暗が分かれている要因を探る
福田正博 フットボール原論
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■J1はリーグ再開から4試合が終わり、各チームの序盤の良し悪し、戦い方の傾向が見えてきた。福田正博氏は、その戦い方の傾向の解説と、ボールを保持して攻める、攻撃型チームの分析をしてもらった。
今季のJリーグは降格がなくなったことで、再開後はボールポゼッションからアグレッシブに戦うチームが増えるのではと予想された。だが蓋を開けてみれば、守備を固めてカウンターというスタイルのチームも多く、上位に進出している。
連勝で好調の川崎。MF脇坂泰斗が中村憲剛不在を感じさせない好プレーを見せている これは、チーム練習再開からリーグ再開まで準備期間を十分に取れなかったことがある。また、リーグ再開のタイミングが、サッカーをするにはもっとも不向きな梅雨から夏に向かう季節になったのに加え、日程も、中3日、中3日、中5日という、変則的かつタイトなスケジュールになっている点も影響しているだろう。
好スタートを切って上位につけているFC東京、名古屋グランパス、セレッソ大阪、浦和レッズなどは、守備安定型のチームだ。しかも、昨年から監督が変わらず、戦術がチームにより徹底されている。
上位陣のなかでリーグ再開後4連勝で首位に立つ川崎フロンターレだけが、ボールポゼッションを志向する攻撃型のチームだ。アンカーをひとり置く4-3-3で前線からプレッシャーをかけながら、ハーフコートで試合をしようとしている。
前半から飛ばしていくため、後半になるとガソリン切れになるのが気がかりではあるものの、再開初戦は鹿島に2-1で勝利すると、その後はFC東京に4-0、柏レイソルに3-1、横浜FCに5-1と連勝。昨シーズンはフィニッシュのところで精度を欠いて勝ち切れない試合が多かったが、今季ここまでは攻撃をしっかりとゴールに結びつけている。
中村憲剛不在の穴も、脇坂泰斗がしっかりと埋めて、チームからの信頼も高まっているのが伝わってくる。ここに憲剛が戻ってくれば、2年ぶりのリーグタイトルは盤石になっていくだろう。
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