イニエスタ、神戸に初勝利もたらす1本のパス。休ませたいけど休めない (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 後半に入ると、鳥栖は前節の大分トリニータ戦と同じようにFWエンゾ・ロペスに代え林大地を投入。すると立て続けにチャンスを作る。後半4分、右からのクロスのこぼれ球を本田風智がシュート。5分にもチアゴ・アウベスのクロスに対して本田がフリーでヘディングシュートを狙うがミス。さらに6分にもチアゴ・アウベスのスルーパスから林がシュートを打つがGKに阻まれる。試合は完全に鳥栖ペースとなった。

 流れを変えたい神戸は後半15分、小川に代え田中順也、古橋に代え藤本憲明を投入。さらに後半29分にはセルジ・サンペールに代え郷家友太を入れる。

 すると後半30分、ビックプレーが生まれる。山口蛍の縦パスを郷家がヒールでイニエスタへ、イニエスタはダイレクトで裏へ意表を突くパス。するとドウグラスがジャンピングボレーを決め、神戸が先制する。

 1点をリードした神戸はその後、得意のパス回しで時間を使い、そのまま逃げ切り今季初勝利を挙げた。

 前節の広島戦同様、神戸は相手の守備に手を焼いた。前線で起点が作れない。ディフェンスの間にボールを入れならない。パスが回るのは中盤から後ろ。シュートまで持っていけない。頼みのイニエスタも研究され、ラストパスをカットされる場面が多かった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る