中村憲剛「自分を引き上げてくれた」と感謝。ジュニーニョは川崎の太陽だった (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO

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 Jリーグで活躍したブラジル人FWの中でも、ことさら実績十分なジュニーニョだが、特筆したいのは川崎に加入してからストライカーとしての研鑽を積んだということだ。

 ブラジル時代はスピードを活かしたサイドアタッカーであり、生粋の点取り屋ではなかった。ところが、川崎では得点源としての活躍を期待されたこともあり、彼は日本でストライカーとしての牙を磨いていった。

 今やリーグ連覇を成し遂げ、昨季もルヴァンカップで優勝するなど、すっかり「J1の強豪」というイメージが定着した川崎だが、ジュニーニョが加入した2003年は、まだJ2を戦っていた。

 パルメイラスから加入したジュニーニョはその年、いきなり28得点を挙げると、翌2004年には37得点を記録。自身はJ2得点王に輝くとともに、川崎をJ1昇格へと導いた。

 最大の特徴は、言うまでもなくスピードだった。

 後方からのロングボールに素早く反応すると、スピードに乗って一気にゴール前まで駆け上がった。カウンターでも驚異的なスピードを誇り、ドリブルで相手DFを置き去りにすると、軽やかにゴールを奪ってみせた。あまりのスピードに何度、スタジアムで「速い」と声を上げてしまったことだろう。

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