ドウグラスが備える矜持。「ヴィッセルは無冠に終わってはいけない」 (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 ブレイクのきっかけになったのは、2015年に期限付き移籍で在籍したサンフレッチェ広島だ。J1ファーストステージの開幕戦に途中出場ながらピッチに立つと、移籍後初ゴールを叩き込んだ。

 以降、チームのエースとして活躍を見せ、セカンドステージ最終節の湘南ベルマーレ戦では、ハットトリックを達成。ガンバ大阪とのチャンピオンシップ決勝でも1得点を決めて、優勝の立役者となり、Jリーグベストイレブンにも初選出された。

「広島に移籍をした時、僕は報道陣に言いました。『正しいタイミングで、正しいチャンスが来る』。努力を怠らなければ、必ず自分にとってふさわしいタイミングで、チャンスが巡ってくると思っています」

 その後、UAEやトルコでのプレーを経て、日本に戻ったのは、2018年の夏。清水エスパルスに完全移籍を果たし、J1第17節のG大阪戦から出場可能になると、途中出場でいきなり移籍後初ゴールを決めた。

 すでにお気づきの方も多いだろうが、このとおりドウグラスは、広島以降に在籍した日本のクラブでは、常に移籍後最初の試合でゴールを決めている。ある意味、得点を期待されるストライカーとしての、プライドを示した結果だろう。

「これまで在籍したどのチームでも、まずは自分が100%の状態でプレーすることを心がけていますし、勝利につながる、チームを助ける得点を挙げたいと考えています」

 だが、ピッチで魅せる、ストライカーとしての強さ、迫力とは対照的に、その素顔はとても謙虚で、穏やかだ。

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