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阿部勇樹の悔恨「オシムさんが倒れたのは
自分の責任だと思っている」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 阿部は、きっといい指導者になるだろう。若くしてキャプテンになり、さまざまな苦労を重ねてきたが、そのなかで、年長の選手ともうまくやって、懸命にプレーする姿を見せることでチームを引っ張ってきた。海外のクラブにも在籍し、そこでプレーすることの難しさ、楽しさも味わった。

 サッカー選手としての経験が豊富で、いろいろな引き出しを持っている。それは、監督を目指す者にとって、不可欠な要素だ。

 目指すのは、恩師であるオシムのような指導者だろうか。

「いや、オシムさんのようなスタイルのサッカーを、僕がやっても成功しない。僕は、オシムさんにはなれないですよ。でも(オシムから)学んだことはたくさんあるので、そこから"自分らしさ"というのを見つけていきたいと思っています」

 たしかに、オシムのサッカーは、オシムだけが導くことができるスタイルだ。ジェフでは、2006年7月からオシムの息子であるアマル・オシムが指揮を執り、同じスタイルを継承したが、うまくいかなかった。日本代表でも、オシムの後任となった岡田武史が、オシムのスタイルを継続していくことを明言したものの、機能させることができなかった。

「考えて、走るサッカー」――その言葉はシンプルだが、サッカーの中身はオシム独自の練習法と思考から生み出される、唯一無二のスタイルなのである。

 阿部が指導者になった際には、そのオシムのスタイルのエッセンスを取り入れつつ、自らのスタイルを構築していきたいという。そして、監督になるための助言を、オシムからももらっている。

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