清水エスパルス新監督が明かす、Jリーグで成功する秘訣 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・構成 text by Igawa Yoichi
  • 小倉直樹●撮影 photo by Ogura Naoki

──実際、苦しんだ時期はありました。昨季は、2018年シーズンほどの浮き沈みはありませんでしたが、夏には3連敗したことも。

「どんなシーズンにもうまくいかない時や、浮き沈みがあるものだ。その時にどう対処するのか、いかに修正していくのかが問われる。我々はトレーニングやビデオ分析によって、問題点を洗い出し、毎日のハードワークで課題を解決していった。繰り返すようだが、日々のトレーニングに全力で取り組むことが何よりも重要だ。成功へのカギは、そこにしか見出せない」

アンジェ・ポステコグルー(写真左)とのコンビで、クラモフスキーは横浜FMを優勝に導いた photo by AFLOアンジェ・ポステコグルー(写真左)とのコンビで、クラモフスキーは横浜FMを優勝に導いた photo by AFLO──ポステコグルー監督の手法でリーグを制覇することに、どれほどの自信を持っていましたか?

「2年前に来日した時、アンジェと私はマリノスが長らく遠ざかっていたリーグタイトルを獲得すると誓った。自信はあった。自分たちが信じる攻撃的なスタイル、我々自身が観客席からでも観たいと思うフットボールによって、成功を収められるはずだと。

 我々には成功体験もある。アンジェには成功に彩られたキャリアがあり、そのすべてをアタッキングフットボールによって手に入れてきた。つまり、歴史が証明していたわけだ。彼のチームが加速し始めれば、誰にも止めることはできないと確信していたよ。

 この成功に貢献できて、本当にうれしい。ものすごく楽しんだよ。アンジェの哲学をピッチ上に具現化していくのが、私の仕事だった。土台をつくり、問題を修正し、最後はどんな相手にも勝てると思えるようになった」

──あなたが選手を指導するときに心がけていることは?

「私たちのトレーニングは常に試合を意識したものだ。実際の試合を想定して、流れのなかで修正を施していく。すべての瞬間が大事だ。動き方、ポジショニング、体の向き、テンポ、リズム、判断とボールのスピード、インテンシティなどを常に確認している。チームを築いていくなかで、選手たちの成長を感じられるのも楽しみのひとつだ」

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