2019.12.29

差がついたヴェルディとF・マリノス。
永井秀樹は「本当悔しいよね」

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

永井秀樹 ヴェルディ再建への道
トップチーム監督編(11)

 2019シーズンJ1では、かつて東京ヴェルディとライバル関係にあった横浜F・マリノスが15年ぶり4度目の優勝を果たした。ホームの日産スタジアムで行なわれた優勝決定戦には、Jリーグのリーグ戦における史上最多記録を更新する6万3854人の観客が足を運び、熱狂に酔いしれた。

来シーズン以降の目標について語ってくれた永井秀樹 一方ヴェルディは、ホームである味の素スタジアムで開催された最終戦(11月24日、対岐阜)に6559人が訪れた。年間平均入場者も5371人で、これはJ2が指定席になった2009年以降、過去2番目に少ない記録(最少は2012年の5341人)だった。

「お互い日本サッカーを引っ張ってきたライバルクラブだったのに、(横浜F・マリノスとは)いろいろな面ですごく差がついてしまった。本当悔しいよね」と永井秀樹。長いこと、ヴェルディで選手として戦っていた永井の考えるヴェルディ再建とは、単にJ1に復帰することではなく、その先にある未来を見据えたクラブづくりだった――。

―― ヴェルディがJ1復帰を目指すために大切なことは何だと思いますか?

 ラモスさんが監督をしていた2007シーズンに一度、J1復帰を決めることができた。当時は自分もヴェルディの現役選手でプレーしていたけど、フッキやディエゴといった外国人選手に1億円を支払い、名波(浩)や服部(年宏)といった元日本代表で、実績のある選手を獲得するという、わかりやすい補強をすることができた。でも、今はそれができないから、そういうやり方を考えても意味がない。

 自分に少なからず託されている「ヴェルディ再建」という仕事に対して、現実も見据えてやるべきことは、有望な若手選手を継続的に育てられるような環境づくり。プラス、ベテラン選手も含めて、今トップチームにいる選手を再生したり、より輝ける力を発揮できる環境が作れたらなと思う。

―― 地道な時間のかかる仕事ですね。

 そうは言っても、監督として3年とか5年まかせてもらえるほど甘くないこともわかっている。ある意味、すごく難しいタスクだな、というのもわかったうえで引き受けた。

 もしかしたら、何億円という補強費を積んで、戦力を総取っ替えして、J1クラスの選手を揃えることが復帰の近道かもしれない。でも、自分はそれではその先につながらないと思っているし、現実にそれはできない。

 今できるベストの方法を模索しつつ、でも、誤解を恐れず言えば、あえて近道をせず、きちんと目標に向かっていくことが大切だと思う。