選手時代に「所詮はJ2」と思った永井秀樹が監督になり痛感したこと (4ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

―― 選手たちに言い続けてきたことはありますか?

 ユースの監督時代は「ヴェルディを変えるのはお前たちしかいない」「ヴェルディの未来を変えられるのはお前たちしかない」と言い続けてきた。トップチームの監督になってからは「ヴェルディの未来を変えるのは下部組織で育ったような、若い選手たちかもしれない。でもヴェルディが常勝軍団となるためには、経験のある選手の力が絶対に必要」と言い続けた。

 たとえ才能があったとしても、若い選手だけで勝てるほどJ2は甘くない。経験ある選手がヴェルディのサッカーを理解して取り組んでくれたこと、骨格を作ってくれたことは、必ず来季につながると信じている。

―― 現役時代に感じたJ2というリーグと、監督としてみたJ2は違いますか?

 繰り返しになるけど、簡単に勝ち続けることができるリーグではない。選手の頃は「そうは言っても所詮はJ2」という余裕というか感覚も正直あった。年齢がある程度になっても、技術さえあれば通用すると思えた。

 でも監督になってみると、若くていい選手はいるし、選手の補強費で20億円クラスの上位クラブになると、外国人選手の年俸も1億円を超えてくる。そうなるとJ1クラブ と規模は変わらない。自分たちよりも予算規模の大きなクラブに勝つことは簡単ではない。考え方によっては「補強もできずに、それは難しいよ」と泣き言を言うのは簡単。でも、ないものはないし、できないものはできない。だからこそ、今いる選手たちに対して、目指すサッカーを明確に示して、質を追求できる環境づくりが大切だと自分は考えている。

(次回につづく)

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