2019.12.01

昨季J1王者、屈辱的な敗北。
フロンターレの時代は終焉を迎えたのか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 王者陥落を象徴するような、屈辱的な敗戦だった。

 開始早々に右サイドを突破されあっさり先制点を許すと、後半立ち上がりにも再び右サイドから失点。3失点目は左サイドを攻略され、その後に1点を返したものの、ミスから4点目を奪われて万事休した。

今季ワーストの4失点を喫した川崎フロンターレ 15年ぶりの優勝を狙う横浜F・マリノスをホームに迎えた一戦。2連覇中の王者・川崎フロンターレは、終始相手の勢いに飲み込まれたまま、1−4と大敗を喫した。4失点は今季ワースト。リズムに乗り切れないまま優勝を逃した、今季の戦いを象徴するような戦いぶりだった。

 すでにこの試合の前に、3連覇の可能性は潰えていた。とはいえ、川崎にモチベーションがなかったわけではない。3位以内を確保し、来季のACL出場権を確保する目的があったからだ。あるいは、目の前で横浜FMの優勝を見せつけられたくない思いもあっただろう。王者のプライドをかけて、この一戦に臨んだはずだ。

 ところが、エンジンが温まる前に横浜FMの勢いに圧倒される。エリキ、仲川輝人、マテウスの3トップに、マルコス・ジュニオールをトップ下に配した横浜FMの前線カルテットのスピード溢れる攻撃に、序盤の川崎は面食らっているように見えた。

 8分にはマテウスの突破に守田英正がついていけず、そこからのクロスを仲川に押し込まれて早々にビハインドを負ってしまう。川崎がボールを持っても、このカルテットは厄介だった。トップスピードでハイプレスを仕掛けてくるため、落ち着いてボールを回せない。持ち味であるショートパスでの遅攻を駆使できず、相手の速いスタイルに合わせてしまうような展開に陥った。

 それでも徐々に落ち着きを取り戻し、ボールを保持する時間が増加したが、今度は横浜FMのハイラインの前にオフサイドを連発し、決定機まではなかなか作れなかった。

 横浜FMの変則的な位置取りにも苦しんだ。両ウイングがサイドいっぱい張ることで生み出された中のスペースを、サイドバックに使われてフリーな状況を与えてしまう。2失点目は中に入ってきた右サイドバックの松原健の動きを捕まえきれず、やすやすとスルーパスを通させてしまったことが原因だった。