遠藤保仁「今の順位がおかしい」。ガンバの実力者たちの調子が上向きだ (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 ピッチに立てない時間が増えるなか、なかなか結果を出せないチームを外から見ていた遠藤には感じるものがあったようだ。

「貴史にしても、アデ(ミウソン)にしても、クロスを合わせるというより真ん中から攻めたほうが相手にとって脅威になると思う。今日の2点目のような形はなかなか作れていなかった。相手が密集しても中央から攻めることも必要ですし、ボックス付近で前を向かせたらJリーグでトップクラスの選手たちなので、ああいう形が増えれば得点チャンスは増えると思います」

 稼働率が下がっても、ピッチに立てば質の高いプレーを約束する。81分にベンチに下がるまでピッチ上を支配していたのは、間違いなくこの背番号7だった。

 試合の流れを生み出したのが遠藤なら、試合を決定づけたのは宇佐美である。前半終了間際と後半立ち上がりに1点ずつをマーク。そのいずれもがネットを突き破らんばかりの鮮やかなゴラッソだった。

 今夏にドイツから帰還した27歳のアタッカーは、復帰戦でゴールを記録するなどいきなりインパクトを放ったが、その後は7試合ゴールから遠ざかっていた。しかし、第28節の北海道コンサドーレ札幌戦で久しぶりに結果を出し復調の兆しを見せると、この湘南戦では完全復活を告げる2発を叩き込んだ。

「ケガの時間もあったので、そういうなかであらためて考えさせられる部分もあった」

 ここまでのパフォーマンスをそう振り返る宇佐美がたどり着いた結論は、やはりシュートに対する意識だ。

「やっぱり足をしっかり振れるところが自分の強み。そういうなかでシュートの感覚や動作を確認しながら、練習の積み重ねができました。迷わず振るというところはいい感じになってきたかなと思う」

 宇佐美のパフォーマンスの向上は、指揮官も感じているようだ。

「フィニッシュワークはトレーニングでも見せていましたし、何より身体のバランスがとれてきた。6月末から練習していますが、その頃に比べれば力強さが出てきている」

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