FWジェイがストライカー不足の日本に提言。「問題はメンタルだけ」 (2ページ目)

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 ヨーロッパでは、GKはゴールを守り、DFはピンチを潰し、MFやウイングは得点をお膳立てし、FWはゴールを決める、とそれぞれの役割が明確に捉えられている。でも日本では多くの場合、どのポジションの選手でもチームに貢献さえすれば、それでいいと考えられている節がある」

 では一流のストライカーを日本で育てていくには、どうすればいいのだろうか。「問題はメンタルだけだと思う」とジェイは言う。

「日本人の優れたナンバー10の選手は、本当にたくさんいる。それからウイングやサイドバック、セントラルMFにも優れた選手が多い。久保(建英)、宇佐美(貴史)、長谷部(誠)、長友(佑都)など、世界に飛び出していった選手やそこで活躍する日本人選手の多くは、ストライカーではない。でも逆に言うと、それほどのクオリティーを備える選手を育んできたのだから、メンタルさえ変えることができれば、いいFWも出てくると思う」

 フットボーラーとしての資質に加え、図太い神経を持つ。どんなにミスをしても、次のチャンスにはボールを要求する精神的なタフネス。それはジェイ自身が体現しているものだ。

 たとえば今シーズンのJ1第21節サンフレッチェ広島戦で、ジェイは好機をたびたび逸し、チームは0-1で敗北。試合終了後には、カメラがうなだれたような彼の姿を抜いた。それは暗に戦犯を示しているようでもあったし、本人も責任を感じているように見えた。

 けれど、その後も先発を続けると、翌々節の清水エスパルス戦ではJ1で初となるハットトリックを達成し、8-0の大勝に大きく貢献。さらにそこから3試合連続でゴールを奪い続けている。

 今年の春に2カ月ほど負傷離脱し、先発に復帰した第15節の川崎フロンターレ戦のあとにはこんなやりとりがあった。ミックスゾーンで「あなたのゴールを待っているファンは多いです」とある記者に訊かれると、「心配ないよ。僕はいつだってゴールを決めてきたのだから」と、いつもの微笑みを浮かべて答えている。ストライカーの矜持を感じさせるシーンだった。

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