首位FC東京、独走のチャンスを逃す。いま求められる「第三の男」

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 J1リーグ第24節。前節の清水エスパルス戦に大量8得点で大勝した北海道コンサドーレ札幌が、ホームに首位のFC東京を迎えた。

 注目はジェイ、鈴木武蔵、チャナティップの3人でフィニッシュまで持っていける札幌の攻撃陣と、FC東京のディエゴ・オリヴェイラ、永井謙佑の強力ツートップの対決だ。

 札幌戦で厳しいマークにあった永井謙佑(FC東京) 札幌戦で厳しいマークにあった永井謙佑(FC東京) 試合は札幌がFC東京のツートップを警戒したのか、引いてブロックを作り、カウンターが得意なFC東京が試合の主導援を握る展開で始まった。そんななかでも、札幌はチャナティップが攻撃の起点となり5分、28分とチャンスを作る。一方のFC東京も22分に永井のシュートがGKに阻まれ、35分には中央でフリーだったディエゴ・オリヴェイラのシュートが右に外れるなど、お互いにチャンスはあったが、決め切れない。

 試合が動いたのは前半38分。右サイドでFKを得たFC東京は、東慶悟のクロスを渡辺剛がヘッドで決めて先制する。前半はそのまま0-1で折り返した。

 後半になると札幌がギアを上げる。後半2分、チャナティップから左サイドの菅大輝へとつなぎ、菅のクロスを鈴木がシュート。するとボールはゴール前にいたジェイのかかとに当たり、FC東京のゴールに吸い込まれた。

 その後、両チームとも積極的に攻めるが決勝点を奪えず、試合はそのまま1-1のドローで終わった。前日、2位の鹿島アントラーズがガンバ大阪と引き分けただけに、差を広げたかったFC東京としては痛い引き分けとなった。

 首位を走るFC東京だが、ベースはリーグ最少失点の堅い守備になる。第19節の川崎フロンターレ戦で3失点したものの、その後の5試合でわずか2失点と、大きく崩れることはない。

 問題は攻撃力だ。チーム総得点の35点のうち20点と半分以上を叩き出しているディエゴ・オリヴェイラ、永井のツートップだが、ここ2試合はノーゴール。チームも最近3試合でわずか2得点しか決めていない。

 その原因は、各チームがFC東京のツートップ対策を練ってきているからだ。札幌戦でも、3バックの中央にポジションを置くキム・ミンテが永井のスピードをケアし、3バックとボランチの連携でディエゴ・オリヴェイラを自由にさせなかった。これから対戦するチームも、このツートップには厳しく対応してくるだろう。

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