鹿島戦の勝利に多大な影響。湘南の「左」杉岡大暉は代表定着となるか (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 もっとも杉岡をはじめ、その時に選んだ23人は3-4-2-1用のメンバーに見えた。そのつもりで現地に行ったものの、急遽4-2-3-1に変更したという感じだ。4バック(4-2-3-1)で戦おうとすれば、ふだんSBとしてプレーしている選手を多めに選ぶはずだが、この時はそうではなかった。

 不慣れなプレーをしたにもかかわらず、3試合でスタメン起用された杉岡に、森保監督の悩める姿を見た気がする。

 トリニダード・トバゴ戦、エルサルバドル戦は逆に、ふだんWBでプレーする選手を選ばず、4-2-3-1用のメンバーを選びながら3-4-2-1で戦ったという印象だ。

 日本代表における杉岡のプライオリティも、森保監督の選択次第で少なからず変動するだろう。4-2-3-1なのか、3-4-2-1なのか。

 SBとWB。両者には思いのほか大きな差がある。4-2-3-1の左SBでは、鹿島戦で2ゴールに絡んだシーンは訪れにくい。たとえばアーリークロス。これはWBの専売特許とも言うべきプレーになる。SBが周囲と絡む機会が多いのに対し、WBは単独プレーが多い。アーリークロスを送るタイミングは、こちらの方が断然、訪れやすい。

 杉岡は、湘南系のスタイルでこのままWBのスペシャリストとしての道を究めるのか。あるいはSB的な要素を兼ね備えた選手に移行していくのか。その将来には、とくと目を凝らしたい。

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