2019.07.21

イニエスタが妙技を見せても3連敗。
神戸は指揮官の采配に疑問が残る

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 J1リーグ第20節。ヴィッセル神戸はホームに、首位FC東京を追いかける横浜F・マリノスを迎えた。

 連敗中の神戸は、頼みのアンドレス・イニエスタを、ボランチからより高い位置のインサイドセンターに上げ、チームの得点源であるダビド・ビジャを左ウイングに置く4-3-3にシステムを変更。一方の横浜FMは不動のメンバーだ。

横浜F・マリノスとの試合中、祈るような仕草を見せるアンドレス・イニエスタ 試合の序盤は、神戸が前線からプレッシャーをかけ、横浜FMに自由にボールを回させない。前半3分には、前線でボールを奪って古橋亨梧がシュートを放つなど、完全に神戸ペースで進んだ。

 なかなかシュートを打てない横浜FMだったが、けっして慌てることはなかった。すると前半38分、思いがけないチャンスがやってくる。バックパスを繋ごうとした神戸のGK前川黛也が足を滑らせると、エジガル・ジュニオがボールを奪い、最後は仲川輝人からのパスを受けたエジガル・ジュニオが冷静に決めて先制に成功する。

 後半に入ると、横浜FMにアクシデントが続出する。まず後半9分にエジガル・ジュニオが負傷交代。後半14分にはチアゴ・マルチンスが古橋の突破をファウルで止め、決定機阻止で一発退場となった。後半早々に得点源と守備の要を失い、10人で戦うことになる。

 それでも横浜FMは、選手ひとりひとりの運動量を活かし、ひとり少ない数的不利を感じさせないばかりか、逆に何度か決定機を作り出す。すると後半32分、リスタートからゴール前に抜け出した仲川がGK前川に倒されPKを獲得。それをマルコス・ジュニオールが決めて0-2とした。

 その後も横浜FMは冷静な試合運びを見せ、神戸に決定的なチャンスを作らせないまま、危なげなく逃げ切った。

 これで神戸は3連敗。ACL圏内どころか、再び残留争いに巻き込まれそうだ。試合の入りは悪くなかった。前半にミスで失点し、後半は数的優位になりながらも、それを活かせなかった。弱いチームにありがちの試合展開だ。

 トルステン・フィンク監督の采配にも疑問が残る。イニエスタを高い位置に置いたことは悪くない。だが、ワントップで結果を出していた、チームの得点源であるビジャを左ウイングに置いたのはなぜか。ウェリントンをCFで使ったが、彼の高さ、強さを活かしたプレーはほとんどなかった。世界的なストライカーを中央で使わない理由がわからない。