内田篤人の薫陶を受ける安西幸輝。
「いつか背番号2をつけたい」 (3ページ目)
――即試合出場機会を得られた。そのチャンスをどう活かせましたか?
「自分の良さ、アグレッシブさはわかってもらえたと思います。でも、アシストやゴールというような印象を残せたかと言えば、そうではなかった。もっと時間があれば、もっとやれたなという気持ちもありますし、同時に今のレベルを想えば、自分が出せるのはこれくらいなのかなというふうにも感じました。だからこそ、もう一度あの場所へ行きたいと強く思っています。もっと成長すれば、もっとボールも出てくるだろうし。そうなるように周りの人に認めさせることが大事だなと思います」
――昨シーズン終盤、左サイドバックでは山本選手が先発し、安西選手はベンチスタートも多く、レギュラー争いの難しさを語っていました。
「プロになってから、ほとんどずっとレギュラーとしてプレーしてきました。だから、鹿島に来て、初めてポジション争いを経験し、ポジションを獲られてしまった。脩斗くんのことはリスペクトしています。脩斗くんに限らず、ライバルとなる選手は僕にはないもの、足りないものを持っている。そこはこれから補っていけばいいと思っています」
――ポジション争いに大事なのは、長所を示すこと?
「そうですね。競争に勝つためにはアピールが必要だし、練習が一番大事だし、自分の色を出していくことが、ポジション争いには重要です。監督に『こういうスタイルの選手だ』と示す。代表ではそれが先決だと思っています。そのうえで、苦手なところを埋めていきたいという考えです」
――さまざまなポジションでプレーした昨季は、自分の色を出すのに苦労していたようにも感じました。
「そこでの悩みはありました。でも、いろんなポジションで使ってもらえたことで、サイドバックの守備面でもよくなったと感じています。もちろん、週2試合という連戦で試合に出続けるのは、ヴェルディ時代には経験がなかったし、相手も初めての選手ばかりだったし、苦労もしました。でも、想像以上の経験ができたのは、今となっては非常によかったと感じています」
――鹿島アントラーズだなぁと実感するのはどんなときですか?
「ベテランの人が、鹿島はこうやって勝つというのを見せてくれ、若手がこういう勝ち方があるのかと学べる機会が、鹿島はすごく多いですね。守備のタスクがすごい。終盤になって集中を切らさず守り切るとか、そういうチーム力を感じます」
――そのなかで安西選手の意識が変わった部分はありますか?
「試合に勝つということが最優先だというマインドになってきましたね。自分のプレーの良し悪しや内容なんて関係なく、まずは勝つことが大事だと」
――とはいえ、昨季もそうでしたが、勝てない時期がある。
「勝負事なので、勝てない試合ももちろんある。それでも、勝利へこだわり続けないと鹿島じゃないと思う。内容では劣っていても、勝てばいい。逆に内容が良くても勝てなければ意味はないと考え続けている」
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