これもイニエスタ効果か。劇的勝利に貢献した神戸の日本人選手の成長 (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya photo by KYODO

 神戸といえば、イニエスタ、ビジャ、ポドルスキのW杯優勝経験のある3人が注目されてきた。そこにバルセロナからサンペールが加わり、「日本人で守って外国人が攻撃を奏でる」と思われてきた。

「いくらスター選手を集めても、日本人のレベルが上がらなければ勝てない」という声も少なくなかったはずだ。現にこれまでの神戸は、外国人選手の活躍がなければ勝利に結びつかない試合が多かった。しかしこの日、試合を決めたのは古橋と田中だった。

 古橋は日本人で唯一、前線のポジションを任されている選手。シュートミスをしてポドルスキに文句を言われるシーンもあるが、この試合では十分に存在感を示した。サンペールの先発でベンチスタートになった三田も、イニエスタが加入して以来、確実にサッカーがうまくなっている。西大伍、山口蛍は神戸に移籍してから日本代表に復帰した。神戸の日本人選手のレベルは確実に上がってきているのではないか。

 ここまでの試合を振り返ると、神戸にまだまだ"強さ"は感じられない。攻め込まれたときの脆さは相変わらすだ。本物の強いチームに成長させるには時間がかかりそうだ。

 それでも、何が起こるからわからないという面白さは、いまのJリーグで無比かもしれない。行く先々でスタジアムを満員にする理由はよくわかる。



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