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J2最下位転落のジェフ千葉。
「オリジナル10」初のJ3降格はあるか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 高い位置から人数をかけてボールを奪いにいく積極的な守備は、同時に、より相手ゴールに近い位置から攻撃を始められることも意味していた。ハイプレスでボールを奪ってショートカウンター。エスナイデル監督が用いた戦術は、相手の攻撃から自由を奪うばかりでなく、ハマれば自らの爆発的な攻撃力を生み出した。

 あまりに極端な戦術ゆえ、それがチームに浸透するまで時間を要したが、シーズン終盤は怒涛の7連勝。最終節でJ1昇格プレーオフ進出の最後のイス(6位)に滑り込んだ。結局、プレーオフで敗れ、J1昇格はならなかったものの、翌シーズンへの期待が高まる締めくくりとなった。

 ところが、エスナイデル前監督の2年目となった昨季、事は期待どおりには進まなかった。

 極端に高い位置からプレッシャーをかける戦術は、DFラインの背後に広大なスペースを生み出す危険と背中合わせ。対戦相手の千葉に対する研究が進むと、ハイプレス・ハイラインは、メリットよりもデメリットのほうが目立つようになっていった。

 昨季の千葉は、リーグ2位の総得点72を記録する一方で、総失点72はJ3降格クラブに匹敵するワースト2位タイ。シーズン途中、従来の戦術を捨て、引いて守備を固めるなどの"応急手当"も施したものの、成績の大きな改善にはつながらず、最終順位はクラブ史上ワーストの14位に終わっている。

 当然、昨季終了時点で監督を代える選択もあり得た。いや、今となっては、そうすべきだった、と言えるのかもしれない。

 日本リーグ時代からの名門チームにして、Jリーグの「オリジナル10」に名を連ねた古参クラブは、しかし、続投を選択。エスナイデル前監督に指揮権を託したが、すでに"賞味期限切れ"の感は否めなかった。

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