「3+1」から「5」に。J1の外国人出場枠拡大で新時代到来 (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 もちろんアジアにも優れた選手は存在するが、その供給源がヨーロッパや南米を中心とした世界中に広がったとすれば、補強策やチーム作りの考え方も大きく変わる。より高いレベルの選手を昨シーズンより2人も多く起用できると考えると、「3+1」と「5」の違いは一目瞭然だろう。

 いずれにしても、ルールが大きく変わった以上、各クラブはそれに適応しなければならないわけで、その新ルールをうまく活用できるか否かが、すなわち今シーズンのタイトル争い、もしくは残留のためのキーポイントになる。

 そして、この新ルールを最大限に有効活用すべく、いわゆる"外国人助っ人"を中心にチーム作りを進めている典型的なチームがある。それが、ヴィッセル神戸だ。

 2017年に元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキを獲得した神戸は、昨シーズンも元スペイン代表のアンドレス・イニエスタを獲得し、今シーズンは元スペイン代表FWのダビド・ビジャを補強。さらに開幕直前にはポルトガルのヴィトーリアからブラジル人センターバックのダンクラーを獲得し、プラス2枠の外国人枠をフル活用している(代わりにレンタルバックしていたブラジル人MFウエスクレイを放出)。

 これにより、開幕時点での神戸の外国人登録は韓国代表GKキム・スンギュとブラジル人FWウェリントンを含めて計6人。ダンクラーの加入が正式に決まって使える目途が立てば、日本での実績が十分なウェリントンをローテーション用の戦力としてメンバー外で温存できるという、稀に見る贅沢な助っ人外国人体制が整ったことになる。

 しかも神戸はセレッソ大阪からボランチの山口蛍を獲得しているため、センターラインは盤石。両サイドバックにも鹿島アントラーズから西大伍、ガンバ大阪から初瀬亮を獲得していることを考えると、残留争いに巻き込まれた昨シーズンから一転、今シーズンは上位争いに加わる可能性は高いと見ていいだろう。

 同じく優秀な助っ人外国人を揃えるのが、リオ・アヴェ(ポルトガル)からブラジル人MFジョアンと、大宮アルディージャからブラジル人FWマテウスが加入した名古屋グランパスだ。

 彼ら新戦力2人に、現有助っ人戦力のオーストラリア代表GKランゲラック、昨シーズンの得点王のブラジル人FWジョー、ブラジル人FWガブリエル・シャビエル、昨夏にフロンターレ川崎から加入したブラジル人ボランチのエドゥアルド ネットを含めると、神戸と同様、助っ人外国人をローテーションしながらシーズンを戦えるという豪華さだ。

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