2019.02.19

36歳、弱気な中盤の職人。
今野泰幸はガンバの躍進に欠かせない

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 トップ・オブ・トップの実力を備えながら、これほどポーカーフェイスができない選手も珍しい。ガンバ大阪のボランチ、今野泰幸のことだ。

 強烈な負けず嫌いで、それが今野のキャリアをここまで引き上げてきたのは間違いない。しかし、その割には「不安です」「無理っす」と、すぐにネガティブワードを口にし、そうした感情が表に出てしまうのだ。

今年1月で36歳となったプロ19年目の今野泰幸 もちろん、それが人間味あふれる今野の魅力なのだが、沖縄で行なわれたG大阪の2次キャンプでも”弱気な今ちゃん”の姿があった。

「コンディションがよくなくて。全然上がってこないんです……」

 G大阪は2月6日にFC東京と、9日に川崎フロンターレと練習試合を行なった。いずれの試合でもレギュラー組が出場した1、2本目で遠藤保仁とコンビを組んだのは、ベガルタ仙台への期限付き移籍から復帰した矢島慎也だった。

 昨シーズンのJ1残留の立役者である今野は、プロ3年目の高宇洋(こう・たかひろ)と2ボランチを形成して3、4本目に出場した。

「対戦相手との力関係や展開によって、この組み合わせもあると思います。去年の終盤、ヤット(遠藤)や今ちゃんがチームにもたらしたものは残っているので、ヤン(高の愛称)も含めて全員の力で戦っていく意識を持ってやってもらっています」

 そう語るのは、チームを率いる宮本恒靖監督である。遠藤と今野の組み合わせのよさはすでに把握しているから、今さら試すまでもない。だから今は、いろいろな組み合わせを試し、戦い方の幅を広げたい――。そんな想いが伝わってきた。

 しかし、今野は「監督からは何も話されていないし、聞いていない」と前置きしたうえで、「でも、自分では(サブ組での出場を)納得しています。今はまだ(レギュラー組では)出られる状態ではないので」と語り、遠藤とのコンビに関しても「去年は阿吽(あうん)の呼吸で、やることがすべてわかっていたし、いい関係を保てていたけど、今はヤットさんとプレーするイメージができない」と嘆くほどなのだ。