2019.02.15

過渡期のサンフレッチェ広島。
カギを握るのは武者修行を経た若手だ

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 寺田弘幸●撮影 photo by Terada Hiroyuki

 お目当ての選手は、鹿児島にはいなかった――。それも当然である。UAEの地で奮闘し、ウズベキスタン戦の勝利に貢献しながら翌日に右ひざの違和感を訴えて、日本代表からの離脱のリリースが流れたのだ。

満を持して広島に帰ってきたアカデミー出身の野津田岳人 UAEを離れ、タイでキャンプを張るクラブで検査を受けるという報道はあったが、その後の進捗は明らかになっていない。鹿児島キャンプが始まっても、クラブからの正式アナウンスは流れていない。

 サンフレッチェ広島は大黒柱のMF青山敏弘を欠いたまま、シーズンの開幕を迎えることになりそうだ。チームの練習に合流していないのだから、状態は芳(かんば)しくないのだろう。

 昨季、城福浩監督のもとで2位と躍進を遂げた広島だったが、無敗街道を走り続けた開幕当初の勢いを、シーズンを通して保つことができなかった。一時は独走態勢を築きながらも、シーズン終盤によもやの失速。川崎フロンターレにかわされて、2015年以来のタイトルを逃している。

 4-4-2の布陣をベースに、強度の高い守備とFWパトリックの決定力を生かして結果を残していったが、そのストロングポイントが機能しなくなると勢いを失った。前年の15位から大きく順位を上げながらも、失速のインパクトは大きく、昨季の広島はネガティブなイメージを抱えてシーズンを終えることになった。

 その反省を踏まえ、今季の広島は新機軸を打ち出した。4-4-2の布陣から3-4-2-1へとシステムを変更。3度の優勝を成し遂げた黄金期に採用されていた形であり、むしろ原点回帰と言ったほうがいいのかもしれない。

 変更の理由について城福監督は、「ポゼッション率」をキーワードに挙げた。

「昨季は守備のところが強調された一方で、ポゼッション率は高くなかった。今季はボールをコントロールしながら、ゲームをコントロールする。チームとして前進していきたい」