2019.02.13

名伯楽ネルシーニョは白黒はっきりさせる。
柏は1年でJ1に戻れるか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 鈴木潤●撮影 photo by Suzuki Jun

 何とも、悲しい勝利だった。

 2018年11月24日、窮地に追い込まれた柏レイソルは、敵地でセレッソ大阪に3-0と快勝を収めている。しかし、残留を争う他のライバルチームも勝ち点を積み重ねたため、1試合を残してJ2降格が決定した。

5シーズンぶりに柏レイソルを率いることになったネルシーニョ監督 前年に4位と躍進し、優勝候補にも挙げられながら、2018シーズンは序盤からまさかの低迷を強いられた。ACLとの二足のわらじをうまく履きこなせず、二度の監督交代も特効薬とはならなかった。多くのタイトルを獲得してきた名門はついに力尽き、三度目のJ2降格の憂き目にあった。

「自分たちが望んだシーズンではなかったし、ACLもあったなかで、サポーターの期待に応えることができなかった。それは、自分たちの責任です。

 結果に対しては悔いが残るし、監督の交代があったなかで、選手、スタッフ、会社の人を含めて、ひとつになって戦えなかった。足りないものがチームとして多々あった結果だったと思います」

 大谷秀和は真摯な態度で、無礼なこちらの質問に答えてくれた。柏の選手たちはすでに気持ちを新たに、鹿児島の地で新シーズンに向けての準備を進めていた。悪夢のような昨季を振り返るのは、避けたいことだったかもしれない。

 しかし、クラブの浮き沈みを経験してきた在籍17年目の生え抜きのボランチは、「昨季のことは今年に生かさないといけない。また強いチームに戻るために、やらなければいけないことはたくさんある」と、J2で迎える新たなシーズンに強い覚悟を示した。

 柏にとっての大きな変化は、J1からJ2に舞台が変わることだけではない。クラブに初タイトルをもたらした名将が、今季より再び指揮を執ることになったのだ。

 Jリーグ黎明期にヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)の黄金時代を支えたブラジル人指揮官は、2003年から3シーズン率いた名古屋グランパス時代には目立った成績を残せなかった。