現役21年目の我那覇和樹。変わらぬ川崎への想い「感謝しかない」 (4ページ目)

  • 木村元彦●文&写真 text&photo by Kimura Yukihiko

 讃岐に献身を誓っている一方で川崎への愛も忘れてはいない。今でもすべての試合の結果を確認し、2連覇には心の底から祝福した。自分のチャントが、サポーターたちの想いから同じ沖縄出身のFW知念慶に受け継がれていると知ったときは、本当にうれしそうな顔をした。

「知念、いい選手ですね。川崎の人たちが僕のことをまだ思ってくれているというのは感謝しかありません」。

 筆者は我那覇のことを書くたびに、日本サッカーを救った男と修辞する。決して大げさな表現ではない。彼が立ち上がったことでJFA加盟のすべてのサッカー選手が正当な医療行為を受ける権利を担保されたのだ。言い換えれば、日本サッカーに携わる人々の人権と身体を守ったのだ。彼が立ち上がらなければ、南アフリカ大会の代表の躍進もなでしこのW杯優勝も、もしかするとなかったかもしれない。我那覇は自身が成し遂げたことをめったに語らない。ただそんな選手であるということは、いつまでも語り継ぎたい。当然ながら今季のカマタマーレの戦いにも注目していきたい。

『争うは本意ならねど』
一通の手紙が、我那覇のもとに届いた……。
彼は、なぜ立ち上がったのか?
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◆【JFL】日本サッカーを救った男・我那覇和樹のリスタート。「やりきる自信が出てきた」

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