スペインで苦しんだ自身のJ1MVP受賞に家長昭博が感じたギャップ (3ページ目)

  • 佐久間秀実●取材・文 text by Sakuma Hidemi

 家長は2013-14年シーズン、前季18位でスペイン2部に降格したRCDマジョルカに約1年半ぶりに復帰したものの、リーグ戦の出場は7試合にとどまった。そんな自分がJリーグでMVPを獲得したことに大きな"ギャップ"を感じているのだろう。

 だからこそ、家長は現状に満足することなくさらなる高みを目指す。2019年シーズンに向け、周囲もこれまで以上の活躍を期待しているはずだ。

「年々プレッシャーを感じるようになっています。どんな思考回路にしてもそれは消えないので、最後に『まあ、いっか』とあきらめるんですよね。来シーズンもプレッシャーとうまく付き合いながら、さらに成長していきたいと思っています」

 昨年ACLを制した鹿島アントラーズ、アンドレス・イニエスタに続いてダビド・ビジャを獲得したヴィッセル神戸など、各チームが川崎のリーグ3連覇を阻もうと対策を練ってくることは間違いない。そんななかで家長が昨年を上回る活躍をすれば、2011年にアルベルト・ザッケローニ監督時代に招集されて以来遠のいている日本代表メンバーに入る可能性もある。

「僕が選手を選ぶわけではないですし、『選ばれたらうれしいな』と思うくらい」と控えめに語ったJ1リーグのMVPは、新たなシーズンに向かってまたトレーニングを積み重ねていく。

プロフィール
家長昭博(いえなが・あきひろ)
1986年6月13日京都府生まれ。ガンバ大阪ジュニアユース、ユースを経て、2004年にトップチームデビュー。2011年にスペイン1部・マジョルカに移籍。韓国1部・蔚山現代などを経て、2014年から大宮アルディージャでプレー。2017年に川崎フロンターレに加入し、2018シーズンはJリーグ最優秀選手賞、Jリーグベストイレブンを獲得した。

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