勝敗のカギはロングスローか。打倒青森山田へ尚志が示す福島プライド (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 しかし、あれから7年。福島のみならず、東北地方全体の復興が少しずつ進むなか、尚志は初の決勝進出をはっきりとターゲットに見据え、準決勝を迎える。

4強入りを決めた尚志。初の決勝進出なるか4強入りを決めた尚志。初の決勝進出なるか 今年度の尚志は、プリンスリーグ東北を15勝1敗2分けという圧倒的な成績で制覇。その後、プレミアリーグプレーオフも勝ち抜き、来年度のプレミアリーグEAST参入を決めた。

 今大会でも、2回戦で3年前の選手権王者である東福岡(福岡県)を、3回戦では昨年度選手権王者の前橋育英(群馬県)を相次いで下し、激戦区を勝ち抜いてきた。過去に優勝経験を持つ強豪校に比べ、知名度では劣るゆえ、尚志の勝ち上がりを番狂わせや金星と見る向きもあったが、今年度の実績を考えれば、勝ち上がるべくして勝ち上がってきたと言ってもいいだろう。

 キャプテンのMF大川健(たける/3年)が、周囲の低評価に反発するように語る。

「ダークホースと言われるが、(東福岡や前橋育英と)互角以上の力があると思っていた。絶対勝てると思っていたし、実際勝てた。自信はあった」

 過去の選手権王者を次々に退けてきた尚志にとって、次なるターゲットは2年前の王者、青森山田である。

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