2018.12.10

J1昇格はならず。ロティーナ体制の
東京Vが貫いた自らのスタイル

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「プレーオフの2試合を見て、もちろんリーグ戦もこの1週間で何試合見たかわからないですけど、3バック、4バックを併用するヴェルディに対して我々がどう戦うべきか、というものを考えた結果、確固たる答えが出なかったのが、まず事実だなと」

残念ながらヴェルディサポーターの夢は叶わなかった ジュビロ磐田の名波浩監督は、迷いを抱えたままこの決戦に臨んでいたことを明かした。今季の対戦がない未知なる相手チームは、二度の"下剋上"を実現した説明しがたい勢いを備えている。引き分けでも残留できるというレギュレーションが、指揮官の決断を大いに悩ませた部分もあるだろう。そしてなにより、名波監督がもっとも警戒していたのは、東京ヴェルディのスペイン人指揮官だったように思われる。

「今日のハーフタイム後の一発目の交代、ドウグラス・ヴィエイラの交代がそうなんですけど、ああいうふうに相手を見ながら選手を代えてきたりもするので、何が正解かわからなかった」

 何をしてくるのか、予測不能――。「策士」ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の存在こそが、磐田に対する最大のプレッシャーだったのだ。

 もっとも、名波監督の警戒は杞憂に終わった。前半終了間際にPKで先制すると、試合終盤にはフリーキックで加点。シュートの数は13対2と大差がついた。J1・16位の磐田が残留を決め、J2で6位だった東京Vが涙をのんだ。J1参入プレーオフの決定戦は、両者の実力差を表した順当な結果に終わった。

 試合開始直後から、両チームには大きな力の差があったように感じられた。球際の激しさや、寄せの速さ、判断のスピードなど、個人戦術の面で明らかなレベルの差があったことは否定できない。東京Vの選手たちも、その違いを認めている。

「個人の質の高さを感じた。そういう意味では、少し後手に回ってしまったのかなと思います」(林陵平)