2018.09.10

「常勝」の面影はなし。宮本ガンバに
足りないのは「戦力」ではない

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 西村尚己/アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORTS

 昨シーズン終盤のことである。

「チームは9月に入ってから勝てていない(この時点で7試合連続勝ちなし)。『タイトルがなくなったから集中できない』という言い訳はあってはならないこと。そういうときこそ、チームとしての真価が問われる」
 
 当時、ガンバ大阪を率いていた長谷川健太(現FC東京監督)は、怒りと情けなさ、憂慮が入り混ざった表情で胸中を明かしていた。

 リーグ戦は下位に低迷、天皇杯、ルヴァン杯も敗退して無冠が決まっていたからか、選手たちには厭戦気分がありありと見て取れ、覇気が感じられなかった。その日はJ2降格まっしぐらだったアルビレックス新潟を相手に、本拠地でなす術なく敗れていた。

 2013年から5シーズン続いた長谷川ガンバは、1年目にJ2で優勝し、2年目はJ1優勝、ルヴァン杯優勝、天皇杯優勝の三冠を達成。3年目もJ1で2位、ルヴァン杯準優勝、天皇杯連覇、ACLベスト4と、王者の証を示している。ところが5年目、常勝チームの面影は消えていた。王者の驕りか、世代交代の失敗か。結局、昨シーズンのガンバは13試合連続で勝てず、10位に低迷した。

「我々はどんな試合でも、歯を食いしばって戦える姿勢を見せなければならない。甘さが出ている。だから今日のように、わかっていても対応できなくなる。日頃の練習に全力で励み、ピッチに立つ姿をサポーターに見せないと……」

 長谷川監督の言葉は暗示だったのか。

ルヴァン杯敗退が決まり、観客に頭を下げるガンバ大阪イレブン 9月9日、日産スタジアム。宮本恒靖監督が率いるガンバ大阪は、ルヴァン杯準々決勝第2戦で横浜F・マリノスに挑んでいる。第1戦は本拠地で0-4と大敗しており、勝ち上がる可能性は低かった。しかし、そこで誇り高い戦いを見せられるか――。それはリーグ戦で17位に沈むなか、残留の試金石になるはずだった。