2018.08.08

イニエスタが超一流である「証」は、
ボールを持っていないときに見える

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Getty Images

福田正博 フォーメーション進化論

 W杯で中断していたJリーグが再開した。最大の注目はやはりヴィッセル神戸に加入したアンドレス・イニエスタだ。

 7月22日の湘南ベルマーレ戦に途中交代で出場し、Jリーグデビュー。続く第18節の柏レイソル戦では初先発を果たして82分までプレーした。

さらなる活躍に期待が集まるイニエスタ イニエスタのプレーを目の当たりにして感じたのは、「判断が正確で速い」ということ。高度なテクニックに目を奪われがちだが、うまいだけの選手は世界中にごまんといる。彼がバルセロナやスペイン代表で輝きを放ち続けてきたのは、技術力だけではなく、「圧倒的な判断能力の高さ」があるからということを見逃さないでもらいたい。

 イニエスタがすばやく、かつ正しい判断ができるのは、ボールをもらう前に頻繁に首を振って味方選手と敵選手の位置をチェックし、多くの情報を収集しているからだ。

 スタジアムで観戦する時は、ボールを持っていない時のイニエスタの体の向きを注意深く観察してもらいたい。体の向きが悪いと視野を確保できなくなるため、イニエスタはこまめに体の向きを変えている。ボールのないところでの準備にこそ、彼が超一流である秘密があるのだ。

 そうやってプレーの選択肢をたくさん持ったなかで、イニエスタがボールを受けたときに最初に選択するのが、『縦パスを入れる』ことだ。これはサガン鳥栖に加入したフェルナンド・トーレスにも共通するが、彼らは得点するためには、縦パスを入れなければチャンスが生まれないことを知っている。

 だが、Jリーグでは、こうした『縦パスを入れる』プレーが実は少ない。