J2首位の大分が甲府に大敗。
「つなぐサッカー」で昇格の夢は叶うか (2ページ目)
そして6分にも混乱に乗じられる形で、左サイドを堀米勇輝のドリブルでずたずたに引き裂かれ、最後は佐藤和弘に押し込まれた。続いて15分には、ボールの出どころを抑えられ、GKが前線にボールをフィードするが、背後から甲府のセンターバックにインターセプトされ、そのまま持ち込まれて失点を喫している。
「相手GKがあそこにボールをつけてくるのはわかっていました。チームとして前からプレスにいくという意識だった」と、甲府の選手が洩らしたように、大分は後手を踏んで失点し、混乱の極みの中でプレーが破綻してしまった。
「早い段階で得点したことで、大分が前への推進力を失ったように見えた」(甲府・MF小塚和季)
状況を整理できない大分は、27分にもエデル・リマにドリブルで持ち込まれ、ワンツーを通され、5失点目を喫している。これで試合の大勢は決まった。
もっともその後、大量リードした甲府がプレスの手を緩めたことによって、大分は息を吹き返している。
「5点も入ると、集中力が欠けることもあったと思います。ボールホルダーへの寄せが甘く、ラインも下がってしまった。(前半から)飛ばしていたので、後半は体力的な問題もあったかもしれない」(甲府・上野展裕監督)
38分、大分はFW馬場賢治が非凡な裏への動き出しから左足で流し込む。これで反撃の狼煙(のろし)を上げると、後半はペースを握り返す。バックラインからショートパスを何本もつなぎ、ボールを運ぶプレーでは練度の高さを示した。77分には相手を陣内に押し込み、5人がエリア内に入る状況で、後藤優介がコントロールショットを決めている。
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