2018.05.28

J2首位の大分が甲府に大敗。
「つなぐサッカー」で昇格の夢は叶うか

  • 小宮良之●文 text by Komoya Yoshiyuki photo by Masashi Hara -JL/Getty Images for DAZN

「ボールポゼッションに興味はない。大事なのはボールを持つことではなく、チャンスを作ることだ。我々のチームには、走力のある選手が前線にいて、(相手ボールを奪い取ってカウンターに入った場合)スペースにおいてアドバンテージがある。そこで得たチャンスを決めるかどうかだ」(アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督)

「私はボールを持つことを心から愛する。ボールを手放すことなど毛頭、考えていない。ボール保持はより多くのチャンスを作るためで、相手のカウンターを受けないためでもある。これはフィーリングの問題なんだ」(マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督)

 世界最高のサッカー監督である2人は、対極とも言えるサッカー戦術論を述べている。はたしてどちらが正しいのか――。確たる答えを出すのは難しい。

 5月26日、山梨中銀スタジアム。J2首位に立つ大分トリニータは、ヴァンフォーレ甲府の本拠地に乗り込んでいる。昨シーズンまでJ1に在籍していた甲府を破って勢いをつけたかったところだが、いきなり出鼻をくじかれる。

2016年から大分トリニータを率いる片野坂知宏監督「ウォーミングアップのときから、選手が(試合に)入りきれていなかったです。『集中して入るように』と念を押しましたが、嫌な入り方をしてしまった。ボールの失い方もよくなくて、雰囲気も悪くなり、選手は自信をなくしたように見えました。甲府のプレスに迫力があったというのはありますが、判断ミスが出てしまった」

 試合後、大分の片野坂知宏監督は言葉を絞り出している。

 前半3分、4分と立て続けにバックパスから失点した。相手にプレスをはめられ、どうしようもない状況で、不用意にボールを下げてしまう。それは、最も回避するべき選択だった。