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居残り練習もキュウリも禁止。
ベンゲルがグランパスで見せたこだわり (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi

アーセナルでもコーチを務めるボロ・プリモラツ(右) photo by Getty Imagesアーセナルでもコーチを務めるボロ・プリモラツ(右) photo by Getty Images ベンゲルの"ワーカホリック"ぶりは、日々のテレビ観戦にとどまらない。

 ピッチが薄く描かれた紙を挟んだバインダーを常に持ち歩き、ことあるごとにそこに何かを書き込み、思案にふけるベンゲルの姿が、村上には強く印象に残っている。

「試合後の新幹線の中では必ずバインダーを開いて、フォーメーションとか、練習メニューとかを書き込んでいましたね。次の試合までの修正点やアイディアなんかを整理していたんだと思います」

 現役を引退したあと、アーセナルを訊ねた平野孝はベンゲルと昼食をともにしていたとき、こんなことを訊ねた。

「同じ練習メニューは一度もありませんでしたが、いつ、どうやってメニューを考えていたんですか?」

 するとベンゲルは、こともなげに答えた。

「練習メニューに頭を悩ませたことはない。毎日、頭の中からどんどん溢れ出てくるんだ。それを忘れないように、常にメモに書き留めている」

 平野が苦笑しながら言う。

「それを聞いて、この人、やっぱりすごいなって思いましたよ」

(つづく)

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