ユース監督・永井秀樹は「寝ている間も
夢の中で指導のことを考えた」 (2ページ目)
――最初は監督と選手、お互いに距離を感じていたのでしょうか。
「かもしれないね。(そうした状況の中)シーズン開始早々、トレーニングマッチで横浜FCユースに大敗したとき、初めて選手たちに強い口調で言った。
『俺は中途半端な気持ちで指導していない。本気でヴェルディを再建したい。ヴェルディの未来はおまえたちにかかっているのに、ヴェルディのユニフォームの重みや価値がわからない選手、仲間のために戦えない選手、中途半端な気持ちで"プロになりたい"と言っている選手は、明日から(練習に)来なくて結構』だと。『ひとりでも、ふたりでも、本気の覚悟のある選手とだけ、向き合う』と。
でも翌日、選手全員が練習に来てくれた。ある意味、あの日が監督としてのスタートだった」
――監督と選手、お互いが覚悟を決めて向き合えるようになったんですね。
「『全員、やめてもらって結構』と言ったとき、(選手たちに)『やってらんないっすよ』と言われて、選手全員が来なくなって"チーム崩壊"ということだってあり得た(笑)。
それまでは選手たちも、自分に対して様子をうかがっていた。『永井さん、難しいことばかり言うな』『理想は高いけど、本当にできるのかな』という疑心暗鬼な気持ちもあったかもしれない。
でも、あの日をきっかけにして、自分の思いを確実に伝えることができた。そして選手たちも、結果が出ないことで周囲からいろいろと言われたと思うけど、それでもついてきてくれた。
そんな彼らが(シーズン終盤に)涙を流して悔しがっている姿を見て、気持ちがたかぶったのかな。自分も、ついもらい泣きしてしまった」
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